ゲーミングPC、クリエイター向けPC、ワークステーション、様々な用途に問わず絶対に欠かせないパーツが電源ユニットです。そういう意味では、PCを構成する上で最も重要なパーツとも言えます。

 

電源ユニットはイメージしていただく通り、マザーボードやCPU、グラボと言った各パーツに電力を効率的に供給するためのパーツです。そのため、構成スペックの消費電力に満たない電源容量ではPCが正しく動作しない可能性があります。

 

電源容量は合計消費電力の約2倍

結論から書くとPCの電源ユニットは各パーツの消費電力を合計した値の2倍の容量にしましょう。

 

理由は電源負荷率が50%の時が最も電源にとって心地のよい状態であり、これは電源ユニットの寿命を長くすることに寄与してくれたり発熱を抑えてくれたりします。また、将来パーツを新調したりする際の余裕分としても重要です。

 

わかりやすいイメージとしては600W必要なPC構成で電源ユニットの容量が600Wであった場合、電源ユニットは常に100%の力で全力疾走することになります。しかし600W必要なPCで1200Wの電源を使用するのであれば余裕を持って走ることができるイメージです。

 

そしてPCの電源ユニットにおいて最も余裕を持って気持ちよく走れる(変換効率の良い)負荷率が50%に設計されているので各パーツの消費電力の合計値の2倍の電源ユニットを搭載しましょうということになります。

 

電力変換効率とは:

入力された電力をPCで使える電力に変換される比率のこと
例:電力変換効率が80%で600Wの電源ユニットの場合、480Wが使用可能な電力となり残り20%は熱などに変換されることになります

負荷率とは:

電源ユニットの容量と各種パーツの消費電力の比率のこと
例:1000Wの電源ユニットに500Wの負荷をかけると負荷率が50%と表記します

 

80PLUS 認証の種類と見方表

PCの電源ユニットは80 PLUS(エイティープラス)と呼ばれる規格が設けられており、どのランクの認証を受けているかでその電源ユニットの性能がわかるようになっています。

 

現在80 PLUSには6種類のランクが設けられており、それぞれ以下のような違いがあります。

ランク アイコン 電力変換効率
負荷率
20%
負荷率
50%
負荷率
100%
80 PLUS 80% 80% 80%
80 PLUS Bronze 82% 85% 82%
80 PLUS Silver 85% 88% 85%
80 PLUS Gold 87% 90% 87%
80 PLUS Platinum 90% 92% 89%
80 PLUS Titanium 92% 94% 90%

 

どのランクの認証を受けている電源ユニットを選ぶかはユーザーによって異なるので一概には言えませんが一般的に80 PLUS Gold以上の電源ユニットを選べば間違いないと言われています。

予算に余裕がある方は80 PLUS Titaniumも視野に入りますし、一方で予算に成約がある方は80 PLUS Bronzeの電源ユニットでも良いでしょう。

 

もちろん、より電力変換効率の優れている80 PLUS Titaniumの方が同じ電源容量であっても高価になります。

 

各パーツの合計消費電力の求め方

電源ユニットの選び方がわかったら次は自分が搭載しようとしているパーツの消費電力がいくつなのか?ですよね。

 

細かいことを抜きにして(CPUの消費電力+グラボの消費電力+100W)×2=推奨電源容量と考えればOKです。

 

なぜ100Wとするかですが、大体マザーボードが50W、メモリが15W~30W、NVMe SSDが25WとCPUとグラボの他に搭載する各パーツの合計がおよそ100Wになるためです。

 

より細かな電源の選び方が気になる方は姉妹サイトでまとめているので良ければご覧ください。