最近発売されるフラッグシップモデルの多くは防水・防塵性能を持って発売されています。「IP○○」という規格を見たことがある方は多いと思いますが、この規格がそれぞれ何を意味するのか。
また、ASUSの「ROG Phone 3」がどれくらいの防水・防塵性能を備えているのか解説します。
この記事で知ることができること
- 「ROG Phone 3」の防水性能について
- どれくらいの時間水に浸しても問題なく使えるのか
- 防水スマホでも気をつけたほうが良い場面
もし、新しいスマホ購入で防水性能がどの程度あるのか気になる場合や「ROG Phone 3」はお風呂や海で使っても大丈夫なのか気になる場合はぜひ読み進めてください。
水場で使うことが明らかな場合、いくら防水性能があってもそのまま使うことはなるべくやめたほうが良いため、そういった場面で役に立つ商品についても紹介します。
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完全防水のスマホは存在しない
近年発売されるスマホの多くが防水・防塵性能を持って発売されていますが、どのスマホも完全防水ではありません。
完全防水は英語では「WaterProof」と言われますが、スマホの防水性能では「WaterResistant」(耐水)と伝えられます。
あくまでも水に浸しても耐えられる設計であり、その設計は「IP○○」規格に準拠するもの(または規格未取得)であるが、完全防水ではないというのが基本スタンスです。
「ROG Phone 3」の防水性能
ASUSが2020年7月に発表した新型スマホ「ROG Phone 3」はEtorenなどで購入できますが、9月末より日本で正式に販売されたのでAmazonやASUSの公式サイトでも購入できるようになりました。
ASUSのスマホは防水性能を示す「IPレーティング」未取得で、この「ROG Phone 3」も「IPレーティング」は取得していません。
- ROG Phone 3:IPレーティング未取得
IPレーティングを取得していないことが=「防水性能なし」ではありませんが、「ROG Phone 3」は下に紹介するテストの結果からも防水性能は高くありません。
また、仮にIPレーティングを取得しているスマホの場合でも、あくまでこの規格は真水でテストした場合の目安であり、海水や塩素の多いプールの水、入浴剤の入ったお風呂での防水性能を保証するものではありません。
つまりIPレーティングを取得しているスマホでも基本的に水場は極力避けましょうというのが基本です。今回の「ROG Phone 3」は防水・防塵性能を評価するIPレーティングを受けてませんので、水場での扱いには注意しましょう。
とはいえ「ROG Phone 3」がどれくらい水に耐えられるのか気になりますよね。これを動画でテストされている方がいるので↓で紹介しますが、まずはそもそもIPレーティングって何?という人のためにこの規格の見方とそれぞれの違いについて解説します。既にご存じの方は読み飛ばしてもらって構いません。
IPレーティングの見方
IPレーティングとはIEC(国際電気標準会議)で定められた防塵・防水性能を図る指標のこと。
防塵性能は「IP◯x」の「◯」部分の数字。数字ごとの意味は以下の通りです。
IP0✕ | 保護なし |
IP1✕ | 手の接近からの保護 |
IP2✕ | 指の接近からの保護 |
IP3✕ | 工具の先端からの保護 |
IP4✕ | ワイヤーなどからの保護 |
IP5✕ | 粉塵からの保護 |
IP6✕ | 完全な防塵構造 |
防水性能は「IP◯✕」の「✕」部分の数字。数字ごとの意味は以下の通りです。
IP◯0 | 水の浸入に対して特には保護されていない |
IP◯1 | 垂直に落ちてくる水滴によって有害な影響を受けない |
IP◯2 | 垂直より左右15°以内からの降雨によって有害な影響を受けない |
IP◯3 | 垂直より左右60°以内からの降雨によって有害な影響を受けない |
IP◯4 | いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない |
IP◯5 | いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない |
IP◯6 | いかなる方向からの水の強い直接噴流によっても有害な影響を受けない |
IP◯7 | 規程の圧力、時間で水中に沒しても水が浸入しない |
IP◯8 | 水面下での使用が可能 |
[source ip68.jp]
つまり、IP68規格に準拠するスマホは「完全な防塵構造を持ち、水面下での使用が可能」であることを意味します。
※あくまでテストは真水で行われるものであり海水や温泉等での使用を保証するものではありません。
「ROG Phone 3」の防水性能はどれくらい水の中に入れても大丈夫?
「ROG Phone 3」はIPレーティングを取得していません。そのため基本的に水に濡れないように気をつけて使うことが強く推奨されます。
- 雨でスマホが濡れてしまった
- 誤ってトイレに落としてしまった
- スマホが汚れたから洗う
IPレーティングを取得しているスマホでは上記のようなレベルであればスマホが壊れる自体は避けられますが、「ROG Phone 3」の場合は可能な限り避けてください。
下のテスト結果からもその心がけは重要そうです。
YouTubeのWitRigsが行ったテストを例に「ROG Phone 3」 にはどれくらいの防水性能があるのか見ていきたいと思います。
飲み物をこぼす:○
最初に「ROG Phone 3」に飲み物をこぼして問題なく動作するかテストします。飲み物をスマホにこぼしてしまうというのは日常生活でも十分考えられますが、このレベルであれば問題なさそうです。ただし、もしスマホが濡れてしまった場合は速やかに乾かすように努めたほうが良いでしょう。
スマホを短時間水で洗う:○
このテストでは「ROG Phone 3」を短時間水の中に沈めじゃぶじゃぶと洗い、問題なく動作するかテストします。結果は正常に動作します。
ただし、防水性能のないスマホを水の中に短時間とはいえ入れてしまうのは危険です。可能な限り避けましょう。この動画のテストでは問題なく動作しましたが、同じように正常動作が保証されるものではありませんので。
シャワーでびしょびしょに濡らす:×
このテストでは2分間、高圧のシャワーで「ROG Phone 3」をビショビショに濡らしています。このテスト以降スマホは正しく動作しなくなりました。
このテストの後、背面のパネルを外して内部への水の侵入を確認したところ、スマホ内部に水が侵入していることが確認されました。防水性能を備えているスマホの場合、シャワーでビショビショに濡らすテストは確実にクリアします。そのことからも、「ROG Phone 3」は防水性能があるとは言えません。
動画を公開したWitrigsは「ROG Phone 3」はIPレーティングに当てはめるなら「IP○2」「IP○3」相当だろうと結論づけています。
動画で行われたテストから「ROG Phone 3」は日常生活で起き得る水がかかる・雨に濡れるレベルでは問題なさそうです。しかし、何れも短時間であれば問題なさそうだという条件付き。
水を意図的にかけたり、水中に沈めたりするのは避けましょう。
結論:飲み物がこぼれるような短時間ならなんとかOK。ただし、防水性能があるとは言えない
防水性能があるスマホでもやってはいけないこと
「ROG Phone 3」はIPレーティング未取得でテストの結果からも十分な防水性能を備えていないことがわかりました。
しかし、「IPレーティング」を取得しているスマホであってもこの規格はあくまでも真水でのテストで定められたものであり、海水や浴槽のお湯は水質が異なるため基本的には良くないと考えたほうが良いです。どうしても、使う場合は使用後にしっかりと水で塩分を洗い落としましょう。
最近はスマホをお風呂で使うことがあると度々耳にします。
防水性能を備えていないスマホでも水にさえ落とさなければ、お風呂でスマホを使ったからと言ってすぐに壊れるわけではありません。そこまで脆くはありませんが、いくつかつきまとう危険はあります。
絶対にやってはいけないのがお風呂での充電です。感電します。
他にもスマホを熱いところに置くとカメラが曇る可能性があります。TechTimmersが行った温水(熱湯)に「Galaxy S20」を浸すテストをこなった結果、フロントカメラが曇り一時的に使用不可になっています。
基本的に一定時間のみでしばらく時間が経つとカメラの曇りは取れますが、曇るということは内部で結露を起こしているということです。避けられるなら避けたいですよね。
水場で使う予定なら専用ケースを使おう
スマホを風呂や海などでの使用があらかじめわかっている場合は、これらの場所での使用を想定して作られた専用のケースを使いましょう。紹介しているケースはカメラも問題なく使える透明度なので、海水浴のようなみんなで写真を撮るときにも使えますよ。
僕はスマホをお風呂で使うことはありませんが5年以上防水対応のBluetoothスピーカーを使ってます。風呂で音楽を聴ければ良い場合はこっちの方が良いですよ。5年以上毎日シャワーでビショビショになるぐらいに使い倒してますがまだまだ現役で使えそうです。僕が実際に使ってるのはSonyのSRS-X1という球体型のスピーカーですが既に生産が終了していたので、同じIPX7規格のスピーカーを紹介します。